おしゃべり希望

久しぶりに会った友達に「もうブログ書かないの?」と言われた。意図があってはじめた行為ではないし、なんかきっかけがあったら、みたいなことを答えたと思う。

 


べつに書きたいこともないし〜と思って書くことをサボってた。のだけど、そもそも自分が好きだったブログというものは、まだネットがクローラーに支配される前、ブラウザ検索でたまたま見つけたどこの誰とも知れぬ人のどうでもいい日常を綴ったものだったため、自分もそれでいいじゃないの、と思い直して書くことにした。

 


上京して9年目の春だ。

本当は京都の美大に行きたかった私は東京にやってきた。親の意向により。

東京に住むなら中央線とかがいいナ、なんてこまっしゃくれたことを考えていたが、結局千歳船橋の変な女性専用マンションに住まわされることになる。親の意向により。

そうした負の要因も重なり、上京のときめきや不安などは一切感じないまま東京でぬるぬると8年間を過ごしてきた。

 


はやくこの人生終わってくれ、と思いながら10代を過ごして、割と今もその気持ち。

態度的には社会の落伍者のなのだが、今のところは違うらしい。

来週、会社の最終出社日なので、一旦落伍者然とした生活でもしてみようかな、なんて思っていたりする。

大学卒業して、給与重視で働いてみたものの、得た給与をとにかくモノと酒に交換するということにしか楽しみを見いだせなかった。残念だ。

雑なファイトクラブ序盤状態である。

 


音楽や恋愛や服や食事が、自分でもなんだか捉えきれない空虚を満たしてくれるかといえばそうでもなかった。

映画に限っては、少しだけ自分の人生と共鳴する部分を感じるので好きでよかったと思う。

 


閑話休題

 


青空文庫に太宰の女生徒があるので久しぶりに読む。特にこのバースが好きだ。

 


"けさ、電車で隣り合せた厚化粧のおばさんをも思い出す。ああ、汚い、汚い。女は、いやだ。自分が女だけに、女の中にある不潔さが、よくわかって、歯ぎしりするほど、厭だ。金魚をいじったあとの、あのたまらない生臭さが、自分のからだ一ぱいにしみついているようで、洗っても、洗っても、落ちないようで、こうして一日一日、自分も雌の体臭を発散させるようになって行くのかと思えば、また、思い当ることもあるので、いっそこのまま、少女のままで死にたくなる。ふと、病気になりたく思う。うんと重い病気になって、汗を滝のように流して細く痩せたら、私も、すっきり清浄になれるかも知れない。"

 


今年で28になるのに、こんなに厭世的なまんまで相変わらずフラフラしてる。

こうした自己嫌悪から抜け出したくも思うが、自己嫌悪のない満たされた状態の自分は自分でないような気がしてそれはそれで嫌だ。

 


自分の中にある澱みたいなものにやられていて健康でないことはわかるので、遠くに住んでいる友達へ会いにいって、おしゃべりでもしたらいい気がする。

 


おやすみなさい。